会社名 | 株式会社アイコス | 代表取締役社長 木村 喜孝 様 |
使用 いただいている 弊社商品 | 紙折機 AFC-566AKT、AFC-492 /
丁合機 SAC-600、HAC-60 中綴じシステム VAC-300+StitchLiner5500 / VAC-3000+SPF-200A+FC-200A 無線綴機 BQ-460、BQ-440、 BQ-160 他 |
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会社所在地 | 大阪市鶴見区鶴見4 丁目11-30 TEL : 06-6914-6611 |
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Horizon News 掲載年月 | 2012年9月 Vol.36 |
鶴見の借金王と言われていたが 製本で生きのびる!
株式会社アイコス様は平成9年2月に新たな製本会社として設立されました。創業者の木村社長は、上場企業である商社の部長職等を定年まで勤められ退職された後、経験も知識も全くない製本業に60歳という年齢で参入された異色の製本会社です。創業当初は限られた資金の中、大阪市旭区で敷地30坪の貸し工場からスタートされました。10年後に80坪の工場に移転、その2年後に鶴見区の現住所に120坪の3階建て社屋を購入し、工場規模を充実されています。製本業を始めたきっかけ 木村社長は長年勤めてきた商社の定年を間近に控え、まだ働きたいと考えておられた矢先、以前から保証人となっていた身内の方の債務を一億円近く背負うという人生最大の危機に遭遇されました。突然降り掛かった借金を返済するために働く以外なく、辿り着かれたのが製本業でした。元々紙関連の業界に長年 携わっておられた社長は『紙の文化はまだまだ伸びる』という先見と、印刷後の『加工は直接ユーザーにインパクトを与える』というお考えから製本に興味を持たれていました。
弊社とは紙関連業界つながりで、創業前からお互い周知の関係でした。創業当初は資金繰りの関係から、弊社の無線綴機BQ-440、丁合機AC-3200、紙折機AFC-502、中綴じシステムSPF-10ラインなど、全てオーバーホール機でスタートされました。
創業当初は、債権者が製本現場に頻繁に訪れるなど苦労の連続だったそうですが、社長自ら現場に立って、作業される姿を見せるうちに相手の信頼を得られることとなったようです。社長曰く「会社務めの頃は、ゴルフや北新地が友達だった時代もあったが、今では全く縁がなくなり、いつの間にか本作りが友達になりました」と懐かしそうに話して下さいました。
独自に掴んだ製本業の生きる道 創業当初、設備に対して社長は『来る仕事が増えて困れば設備すれば良い』という"仕事ありき"のお考えでしたが、創業後数年が経ち、設備が不十分なために知らない間に仕事が他の業者に流れていることを痛感され『設備を先に充実して仕事を取る』という"設備ありき"のお考えに移行されていきました。
そんな出来事もあって、工場移転後は設備投資に積極的で、弊社の設備も、無線綴機はBQ-460とBQ-440の2台体制、丁合機はVAC-3000とSAC-600、紙折機AFC-566AKT、中綴じシステムSPF-200A、StitchLiner5500と、最新機種をご導入いただきました。未経験という不利な条件で始められた社長は数年の経験の後、『ユーザー様に満足していただけることが 一番の武器』と実感され"納期厳守" "品質の向上"は当たり前で、声を掛けられた仕事は『コストが合わない 仕事以外は絶対断らない』を信条に業績を伸ばしてこられました。またアイコス様は"機械の能力を120% 出して仕事する"ことに長けておられ、弊社の設備をとことん使いこなされています
苦労の連続で得た経営理念 同業者がひしめく大阪で、全くの素人、しかも高齢から始められた製本業で常に大切にされていることをお伺いしました。
「当社は他に比べてこれと言って特別な設備はしていない。お客様が“製本はアイコスにまた出したい”と思っていただける環境作りが全て」との社長のお言葉。例えば女性が『自分の化粧品はこのメーカーでないと駄目』と拘りを持たれるように『アイコスに製本を頼むことに拘りを持ってもらいたい』というお考えです。相談を受けた仕事は極力断らない、トラックを大小4台自社で準備している、機械の能力を120%引き出すなどは全てその表れです。社屋を二度移転された理由も、狭くなったというより、お客様に訪問してもらいやすい立地条件を考えられてのことで、駐車場も10台分お客様のために確保されています。創業時から4倍に増えた社員の方々には『本という最終工程の担い手としての自信と責任と誇りを持とう』という言葉を常に意識付けされています。今回の取材にあたり、長年お付き合いさせていただいている私に、初めて関連書類をお見せになり“背負われた借金”のことを話して下さいました。そして同時に「ホリゾンの製本機器でこの事業を始めていなければ、ここまで来られていなかった…」とありがたいお言葉をいただきました。 止むを得ず背負われた大きな借金もすでに完済され、“製本が友達”である木村社長率いる株式会社アイコス様の益々のご発展をお祈り申し上げます。
((株)ホリゾン西コンサル 田中 孝)